アメリカからみた円について考える

アメリカからみた円について考える


あまり堅苦しく記事にしようと思うとめんどくさくなってブログ放置してしまうので、ソースとかはわざわざ示さず主観も全開でいきます。
 
最近、アメリカから見た円について考えたりしてます。
情報が足りないのでなかなか煮詰まりませんが。
 
円、すなわち日銀券を発行する日本銀行は、日本銀行法においてその独立性が確保されています。
建前上は。
各国の中央銀行もわざわざ調べていませんが独立性は謳われているはずです。
しかしながら、それはあくまでも建前の話であって、実質的にはさまざまな権力からの介入、影響を受けていると思います。ただの主観ですが。
特に日本においては、そもそも国家運営そのものがアメリカの管理下にあるので、独立性なんてものは実質的にはありません。
こうした主観を前提として、ではアメリカから見た円の価値とは?どういった利用価値が考えられるか?ということを考えています。
 
円の現状をざっくり見ると、
異次元緩和が継続→インフレにならない→人口減少内需縮小で設備投資に資金が回らない、消費財コモディティ化している
経常収支は大幅黒字→内訳の構造は大きく変化していて貿易黒字の縮小と、投資収支の黒字拡大が鮮明に。サービス収支も近い将来黒字が定着しそう
要は慢性的な出口のない緩和と経常収支の黒字が今後も続きそうってこと。
規模の大きいスイスみたいな感じ。
 
これをアメリカ側の視点でどう使うか、という事なんだけど、
ドルの性質を考えたときに、円はすごく便利だと思うわけです。
基軸通貨としてのドルを維持しようと思うと、基本的に経常収支は赤字でドルを世界にばら撒いた方がいいけど、アメリカはさまざまな問題抱えながらも人口は増え、インフレが続いているから引き締めが必要になって金利を下げっぱなしにもできない。
その点、円は日本という世界3位の経済を背景に持ちながら、構造的な経常黒字と低金利と金融緩和という性質を持ってる。
その円が実質アメリカの影響下にあるわけだからキャリートレードをするのだって円が最適だ。
実際に日本の海外投融資は400兆を超えて世界一の規模だし、国別シェアもアメリカ向けが1位。
これには米国債の購入も含まれるけど、全体で200兆円近い対米投融資がある模様。
アメリカじゃなくともケイマンやオランダ向けも結構あるみたい。
そもそも日本ほど米国債を買ってくれる相手として都合のいい相手はいない。
名目上は他国だけど実質的には国内の債権者みたいなものだ。
ドルの金利はコントロールしつつ、どんどん米国債を刷って、お金じゃぶじゃぶ金利がつかない日本がそれをどんどん買うことが、米国にとっても、日本にとっても、世界経済にとっても、現行の資本主義のシステムにとっても望ましい。
アメリカってチートし放題だけどそんなところが大好きです。
やっぱりドルと円のペアって構造的に非常に相性が良くって、日本の経済規模も相対的にプレゼンスがなくなっているとはいえ代えは効かないから、アメリカからみても物凄く重要な資源て言っていいと思う。
地政学的に見ても中国の台頭が鮮明になって、アメリカの最大の仮想敵国が中国であることは明白だし
内向きなアメリカだけど第一列島線を放棄することは、逆にアメリカの国防費を増やす結果になるだろうから、日本から退く選択肢はない。戦略的に見ていろんな意味でアメリカにとっての日本は非常に重要。
 
円の信用が毀損して、円が暴落するって話もあるけど、そんなことは起こらないと思う。

経常収支の黒字は投資収支がメインだからそうそう崩れるものではないし、消費財コモディティ化が進む一方で、かつ世界中で金融緩和が常態化していて、通貨自体に価値の保存て要素が薄らいでいると思う。取引を円滑に行うためのツールとしての機能さえあればいい。そもそも金本位廃止しといて価値の保存てなんだって見方もできる。
もっと言えば基軸通貨たるドルの信用は、アメリカの国力、中でも特に軍事力によって担保されていると考えてるのだけど、日本は実質的にアメリカの管理下にあって、戦略的にもアメリカが日本をその傘から外すことはまず有り得ないのだから、円の信用も同様に担保されているとすら言えるんじゃないだろうか。

 

などと考えてます。
いやー、万が一本格的なリスクオフになって巻き戻ったらどれだけ円高になるんだろうね。