グーグルマップから社名消えた、ゼンリン株が急落-不具合急増報道も

グーグルマップから社名消えた、ゼンリン株が急落-不具合急増報道も

古川有希
2019年3月22日 12:31 JST
  • 下落率は16年6月以来の大きさ、売買高は平均の5倍超に膨らむ
  • 05年7月から地図提供、グーグルは6日に新地図提供を予告
地図情報のゼンリンの株価が急落した。米グーグルが提供する地図データ「グーグルマップ」から同社の社名が消え、両社の契約状況に変化が生じた可能性が浮上した。
  22日のゼンリン株は一時前営業日比13%安2576円と5営業日ぶりに急反落し1月29日以来、およそ2カ月ぶりの安値を付けた。下落率の大きさは2016年6月24日(13%)以来だ。午前の売買高は約100万株と過去半年の1日当たり平均に対し5倍以上に達した。
Zenrin Co. President Zenshi Takayama Interview
グーグルマップからクレジットが消えたゼンリン
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg
  ゼンリンの広報担当はブルームバーグの電話取材に対し、22日時点でグーグルマップから自社社名が消えている事実を認めた上で、契約状況の詳細についてはコメントを控えるとしている。グーグルからのコメントは得られていない。
  グーグル日本法人は6日のブログで、今後数週間以内に新しいグーグルマップの提供を開始することを明らかにしていた。グーグルとゼンリンの協業は、ゼンリンデータコム(東京・千代田区)が米グーグル向けに地図情報の提供を開始した05年7月から始まっている。
  シティグループ証券の江沢厚太アナリストはゼンリンについて、グーグルマップとの契約が解除された可能性を指摘し、ネガティブサプライズとリポートで指摘。江沢氏によると、21日更新されたグーグル・マップで、画面下部にあったゼンリンのクレジットが表示されておらず、日本の地図データがゼンリンのデータからグーグルが独自で開発したデータに変更されたとみている。
  ITメディアニュースは22日朝、グーグルマップから林道や細い路地、バス停が消えたり、道路の形がおかしいといった報告が21日夜からインターネット上で相次いでいると報道。また、地図右下のコピーライト表記にあったゼンリンの文字が消えたとも伝えていた。ブルームバーグがグーグルマップで東京・渋谷駅西口周辺を検索したところ、バスターミナル部分が2本の大きな道路のみで表示されている。