◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2019.03.23

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週の日本株はしっかりとした展開となった。」

M「ああ。ただ小動きだったと言える。日本は祝日が週途中にあり、海外では重要イベントあった事から、積極的な売買は限られた印象だ。」

T「それに年度末近い状況だし、機関投資家などはやはり動きにくさもある時期だしな。」

M「そうだな。そんな状況でも取りあえず米国株がしっかりしていただけに、日本株の支えになったと言える。」

T「まあ昨晩の米国株は波乱的な下落になってしまっているが・・。」

M「ああ。昨晩の米国株は派手に下落した。今週の米国株は木曜日まではしっかりだったといえる。」

T「そうだな。注目された米FOMCでは、年内利上げはもう無いという予想がドットチャートで示され、金融正常化へ向け進めているバランスシート縮小は今年9月末までで止めることが決定された。」

M「これは以上予測よりハト派姿勢だと言えるだろう。12月FOMCで示された今年の利上げ予想では2回の利上げとなっていた。」

T「ああ。それが今回のFOMCでは1回という予想に下方修正されるとの見方が多かったと言える。」

M「そうだな。それだけにFOMCメンバーによる予想の中央値がゼロ回となったのはある意味サプライズだ。」

T「それにバランスシート縮小停止の時期は、年末という見方が多かったと言える。」

M「それが9月末だからな。それだけに予想以上に今回のFOMCでは、FRBハト派姿勢を見せてきたと言えるだろう。」

T「でも、ある意味、それは景気の先行き懸念を警戒していると言うことだからな。」

M「そうなんだよな。それだけFRBでは、先行きに警戒感を持っていると受け止められる。」

T「このFOMCをうけ、当時の米国株は乱高下した。発表直後は買われる動きとなったんだが、買い一巡後は一転して売られる動きになっている。」

M「ああ。想定以上のハト派姿勢が示されたことで、債券市場では米金利が低下し、金融株売りに繋がった。」

T「それにやはり景気先行き懸念が意識されたということもあるんだろう。」

M「だろうな。ただその翌日には、一転してハト派色強かったFOMCを好感し、買われている。」

T「金利低下はハイテク企業などには追い風となる。」

M「それにより木曜日の米国株は大きく上昇し、S&P500指数とナスダック指数は、それぞれ昨年10月上旬の高値水準まで上げている。」

T「まあ木曜日は好材料も幾つかあったからな。半導体大手のマイクロン決算で半導体需要の底打ち期待が強まったほか、アップルが格上げなどにより派手に上げ、投資家心理に追い風になった。」

M「それに3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想上回る数字となったことも安心感に繋がった。」

T「でも昨日は一転してリスクオフの動きに転じている。」

M「そうだな。きっかけはドイツで発表された製造業PMIだ。これが予想を大きく下回り2012年以来の低水準となった。」

T「更にユーロ円製造業PMIも弱く、米国で発表された製造業PMIも市場予測を下回った。」

M「ああ。これらをうけ世界景気減速懸念が再燃した格好だ。」

T「また債券市場では、弱い経済指標発表により米長期金利が一段と低下した。それにより3ヶ月債利回りと10年債利回りが逆転している。」

M「ああ。既に2年債と5年債では以前から逆イールド状態続いていたが、3ヶ月債と10年債利回りが逆転するのは2007年8月以来、11年半ぶりだ。」

T「それが昨日の米国市場でリスクオフに繋がった要因だと言えるかもな。」

M「ああ。2007年8月といえば、ちょうどサブプライム問題が話題になった時期だ。」

T「2007年8月、サブプライムショックで一時的に世界同時株安が起こっている。」

M「その翌年にはリーマンショックが起こっている。」

T「それだけに昨日は過度に先行き懸念が強まったのかも知れない。」

M「そうかもな。そもそも昨晩嫌気された経済指標は、普段はそれほど意識されない経済指標であり、さほど重要視されていない。」

T「だよな。」

M「それでも債券市場で、大きく反応示したのは、やはり今週のFOMCが影響していると言えるだろう。」

T「確かにそうだな。」

M「想定以上のハト派姿勢が示されたことで、金利低下圧力は強まっていた。そんな状況だけに、普段さほど意識されない経済指標でも、弱い数字となったことで大きく反応してしまった。」

T「あのFOMCによって、世界的な景気減速が意識されやすい状況になっていたと言うことだな。」

M「ある意味、ハト派過ぎたんだろう。そこまでハト派姿勢を示す必要も無かったと言えるのかも知れない。」

T「今月上旬に行われたECB理事会も想定以上にハト派色強い姿勢が示されて、やはり世界景気減速懸念が意識された。」

M「そうだな。まあ昨日は週末要因も手伝っているんだろうけど、来週早々にそういった懸念も落ち着けば良いけどな。」

T「ああ。やはり米長期金利が更に低下するのかどうか注目されそうだ。」

M「日本市場は来週27日から実質的に新年度相場入りとなる。配当落ちもあるが、底堅さ見せて欲しいモンだ。」

T「そうだな。期待したいモンだ。」