投票率、ズバリ当てます!参院選
このうち、平成7年の投票率は、44.52%と過去最低を記録した。「亥年現象」の背景には、投票を呼びかける地方議員の選挙疲れ、有権者の選挙疲れの両面があると言われている。
ただし、「例外」もある。12年前、平成19年は、その前の選挙より投票率が微増した。この時は、第1次政権下の安倍総理大臣がその後の退陣につながる大敗を喫している。大きな政治のうねりが、「亥年現象」を上回ったと言えるのかもしれない。
ただし、「例外」もある。12年前、平成19年は、その前の選挙より投票率が微増した。この時は、第1次政権下の安倍総理大臣がその後の退陣につながる大敗を喫している。大きな政治のうねりが、「亥年現象」を上回ったと言えるのかもしれない。
再び亥年現象か!?
では、今回の投票率はどうなるのか?
実は、「再び亥年現象か?」と思わせる兆候が直近の世論調査からうかがえるのだ。
NHKでは現在、毎週末に投票意欲や関心を聞く電話による世論調査を連続して行っている。
先週末の最新の調査結果では、投票に「必ず行く」という人(50%)と「期日前投票をした」人(5%)をあわせると55%。
実は、「再び亥年現象か?」と思わせる兆候が直近の世論調査からうかがえるのだ。
NHKでは現在、毎週末に投票意欲や関心を聞く電話による世論調査を連続して行っている。
先週末の最新の調査結果では、投票に「必ず行く」という人(50%)と「期日前投票をした」人(5%)をあわせると55%。
今回から携帯電話が調査対象に加わったため単純には比較できないが、3年前、平成28年の参院選(63%)、6年前、平成25年の参院選(63%)の同じ時期より8ポイント低い。
一方、参院選に「非常に関心がある」という人は直近の結果で20%で、これも3年前(28%)、6年前(27%)の同時期より7~8ポイント低い。
一方、参院選に「非常に関心がある」という人は直近の結果で20%で、これも3年前(28%)、6年前(27%)の同時期より7~8ポイント低い。
ヒントは世論調査のデータに
やはり今回の投票率は下がるのだろうか。
こうした調査結果から予測を試みた。われわれが注目するのは、「投票意欲」や「参院選への関心」と、投票率との関係だ。
下の表に、第1次安倍政権以降、つまり平成19年以降の、投票日2週前の結果と投票率を示した。事前調査で「必ず行く(+期日前投票をした)」という人、「非常に関心がある」人の割合が高いと投票率は上がり、低いと投票率は下がる傾向にあることが見てとれる。
こうした調査結果から予測を試みた。われわれが注目するのは、「投票意欲」や「参院選への関心」と、投票率との関係だ。
下の表に、第1次安倍政権以降、つまり平成19年以降の、投票日2週前の結果と投票率を示した。事前調査で「必ず行く(+期日前投票をした)」という人、「非常に関心がある」人の割合が高いと投票率は上がり、低いと投票率は下がる傾向にあることが見てとれる。
注意を要するのは、どの参院選も「必ず行く(+期日前投票)」という人の割合から、実際の投票率は10ポイント前後落ち込むことだ。行くつもりではあったが行けなくなってしまったのか、調査員に尋ねられ、つい「行く」と答えてしまったのか、調査結果をそのまま受け取ることはできない。
どの質問の調査結果が、投票率と最も関連がありそうなのか。投票率を予測する式を作ることにした。
どの質問の調査結果が、投票率と最も関連がありそうなのか。投票率を予測する式を作ることにした。
では、予測してみよう!
過去データを検討するため、電話法で実施した平成13年から28年の参院選投票日2週前の調査結果と投票率の関係をグラフに示した。
まずこちらのグラフ。横軸は「必ず行く+期日投票をした」の結果、縦軸は投票率である。
まずこちらのグラフ。横軸は「必ず行く+期日投票をした」の結果、縦軸は投票率である。
そしてこちらは、横軸は「非常に関心がある」の結果、縦軸が投票率である。
平成25年のようにやや外れる例もあるが、どちらのグラフも調査結果の割合が高いほど、投票率も高くなる関係が見てとれる。その関係を表したのが、点と点の間に引かれた直線だ。それぞれの調査結果と、投票率の関係を表す式によって引いたものである。
両方のグラフを比べると、「非常に関心」のグラフのほうが、線の近くに点が集まっている、つまり予測式の当てはまりがよいということで、こちらの式を採用することとした。
それでは、このグラフに、最新の調査結果の「非常に関心がある」とした「20%」の値を当てはめてみよう。
この位置になる。
両方のグラフを比べると、「非常に関心」のグラフのほうが、線の近くに点が集まっている、つまり予測式の当てはまりがよいということで、こちらの式を採用することとした。
それでは、このグラフに、最新の調査結果の「非常に関心がある」とした「20%」の値を当てはめてみよう。
この位置になる。
結果、投票率は52%台となった。
これが私たちが出した予測だ。戦後3番目に低かった平成25年の参院選と同程度である。なお、ここでは固定電話・携帯電話をあわせたデータを使ったが、前回までと同じ固定電話だけのデータを使った場合も、結果はあまり変わらない。
これが私たちが出した予測だ。戦後3番目に低かった平成25年の参院選と同程度である。なお、ここでは固定電話・携帯電話をあわせたデータを使ったが、前回までと同じ固定電話だけのデータを使った場合も、結果はあまり変わらない。
幅広い年代で関心低下、なかでも60代は…
予測で出た52%台という数字。当然ながら上ぶれする可能性も下ぶれする可能性もある。ただ、現時点の調査結果を詳しくみると、下ぶれを懸念させるデータが散見される。
「非常に関心がある」という人をさらに年代別にみると、平成28年選挙(投票率54.70%)と比べ、40代、60代、70代の幅広い年代で減っている。60代、70代の高齢層では平成25年選挙(投票率52.61%)と比べても少ない。固定電話だけの結果も同様の傾向だ。
なかでも60代は投票意欲の低下も目立つ。
平成28年選挙、平成25年選挙の同時期の調査では、60代で「必ず行く(+期日前投票をした)」という人はともに71%だった。これに対し、直近の調査では62%と大きく沈んでいる。固定電話調査の傾向も変わらない。総務省によると、平成元年以降の参院選の年代別の投票率は60代が常に最も高く、投票率の牽引(けんいん)役となってきた。その60代で投票率が下がるとすれば、全体への影響は小さくないと考える。
「非常に関心がある」という人をさらに年代別にみると、平成28年選挙(投票率54.70%)と比べ、40代、60代、70代の幅広い年代で減っている。60代、70代の高齢層では平成25年選挙(投票率52.61%)と比べても少ない。固定電話だけの結果も同様の傾向だ。
なかでも60代は投票意欲の低下も目立つ。
平成28年選挙、平成25年選挙の同時期の調査では、60代で「必ず行く(+期日前投票をした)」という人はともに71%だった。これに対し、直近の調査では62%と大きく沈んでいる。固定電話調査の傾向も変わらない。総務省によると、平成元年以降の参院選の年代別の投票率は60代が常に最も高く、投票率の牽引(けんいん)役となってきた。その60代で投票率が下がるとすれば、全体への影響は小さくないと考える。