ニューヨーク市場のタイムテーブル:後編

ニューヨーク市場のタイムテーブル:後編

みなさんこんばんは!千里眼です。

先日は祝日ということで、1週間ぶりの更新となりますが、引続きニューヨーク市場のタイムテーブル後編についてご紹介してみたいと思います。

前回の前編では、NY市場で発表される米主要経済指標についてご紹介いたしました。ご覧の皆さんも、為替市場の中でも一番興奮する時間帯なのではないかと思いますし、私も手に取るマウスが汗で濡れてしまうくらい、緊張する時間帯でもあります。
NY市場については、前半戦で概ね売買の材料が出尽くしてしまいますが、本日は後半戦のタイムテーブルと、値動きの特徴などを探ってみたいと思います。

日本時間23時~24時
NYオプションカットタイム
東京市場の後半戦の記事でもご紹介いたしましたが、通貨オプション取引に設定されている権利行使期限(エクスパイア)は、東京時間15時とNY時間の10時に設定されているものがほとんどです。この時間帯は、全世界のオプション絡みのポジションが出るため、急激に相場の方向性が変わったり、NY市場開場からの上昇分を全て吐き出したりと、波乱含みの時間帯になります。

前回の更新では経済指標の方に触れましたが、このオプションに絡むフローは、単純にFXを含めたマージントレードの金額より遥かに大きく、またオプションの権利行使価格(ストライク)の防戦売りや防戦買い(権利行使をさせないための)というのは、このエクスパイア直前まで行われるため、その攻防戦は非常に激しく、見ているだけでもその雰囲気が伝わってくるほどです。


日本時間24時~翌1時
ロンドンフィックス
ロンドン時間の午後4時になります。フィックスというからには仲値公示になるのですが、確かロンドンは1日5回くらいフィキシングがあったような気がします・・・(ごめんなさい、定かではありません)
東京市場と同様に、欧州系の各金融機関の様々な思惑とその思惑に対するポジションが出る時間帯になります。また、債券ベースのフローが多い傾向があり、これもまた金額ベースでみると非常に大きく、インパクトのある注文が飛び交ったりします。NY市場の参加者も、序盤の経済指標をこなした後は、このロンドンフィックスの時間帯をターゲットにしているトレーダーも多いようで、この大きな金額のフロー中で、短期的に相乗りしようという思惑が台頭する時間帯になります。

またこの時間帯は、12地区連銀総裁をはじめとする高官の講演なりスピーチ
が集中する時間帯でもあります。講演の議題にもよりますが、やはりFRB議長の講演や議会証言などは、それなりに市場注目度が高いのが現状です。


日本時間翌2時~4時
ベージュブックFOMCミーティング
皆さんもよくご存知の「ベージュブック」や「FOMCミーティング」といった最重要材料の発表がなされる時間帯になります。ところが、本邦投資家にとってのこの時間帯は、既に体力的にもピークアウトですし、為替相場と対峙するというよりかは、眠気との勝負と言うことになりそうです。(笑)

ここでは、これらの材料の詳細説明は割愛いたしますが、やはりFOMCミーティングは政策金利の発表ということで、その世界的注目度は各種経済指標などの比にならないくらい高いものです。ただ、こうした特別な材料がない時には、概ね日本時間の1時過ぎくらいで売買も一巡してしまい、為替相場の変動もやや面白みに欠けてきます。

特に、日本時間の2時や3時などにポジショニングをしても、翌日の東京でそのままひっくり返されるというケースが比較的多いので、ある意味、翌日の東京市場の動向を待ってからのエントリーが好ましいのが現実です。


一応これで主要全市場のタイムテーブル的な部分は全てご紹介いたしました。これから、皆さんがトレードをしていく中で、こうした恒常的なタイムテーブルを常に念頭におきながら相場と向き合うと、NYカットタイムのような思わぬ落とし穴にも陥らずに、上手くポジションを捌いていけるのではないかと思います。