◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆

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■□グレイルネットメールマガジン□■            2011/02/19(土)発行
株式投資で勝つ為の情報マガジン~        http://www.grail-legends.com/
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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週も日本市場は堅調だった。日経平均は5連騰となり今週毎日上昇したことにな
る。TOPIXは流石に下落したものの、小幅にとどまっており、木曜日までは9連騰だか
らな。」

M「日本だけじゃない。米国市場も相変わらず強かった。ダウは2日ほど下げたものの
、その後は上昇し週間ベースではしっかりと上げて引けている。」

T「2年8ヶ月ぶりの高値だからな。しかしこうも強いと逆になかなか買えないという
のが多くの投資家の本音だろう。」

M「だろうな。今回の上昇に乗り損ねている個人投資家はかなりいるようだ。日本だ
けじゃない。米国市場でも同様であり、上げている割に投資家は出遅れている。」

T「確かにこういう状況だと高値を買うことになるだけに、買いにくさはあるからな
。買ったとたんに下げるのではという懸念をどうしても感じてしまう。」

M「ああ。ただ今週は結構遅れ的な銘柄に資金が入ってきており、物色に広がりが出
てきている。その前までは特定の強い銘柄が連日上げていくという状況だったが、流
石にそれらが上値追えなくなってくると、出遅れ銘柄を買う動きが強まってきた。」

T「この動きからも、余程買いたい向きが多いんだろうな。」

M「今週も買いの主体は海外勢だが、海外勢でも長期資金の買いが多いようだ。海外
勢による日本株見直し買いが昨年12月頃から強まってきているが、出遅れていた向き
もここに来て日本株を買ってきているようだ。」

T「日本株の投資ウエートを引き上げてきた海外勢が増えてきているようだからな。

M「ああ。長期的な資金だけに、すぐに売ってくるという資金ではない。それが売り
圧力を弱めている要因でもあるだろう。」

T「でも国内機関投資家は基本的に手仕舞い売りに動いているだろ。」

M「ただ年度末近い割に売っていないと言える。恐らく相場が好調なだけに売り急ぎ
もしていない感じだ。もちろん手仕舞い売りを狙っているといえるが、今慌てて売ら
なくてもという感じになっている。」

T「まあ海外勢がこれだけ買ってきているだけに、確かに売り急ぐ必要もないのかも
な。ヘッジファンドなど投機筋はどうなんだ。」

M「ヘッジファンドなども現物株を買ってきている。欧州の年金資金などが連日のよ
うに買っているだけに、そうそう売り込むことも出来ないだろう。今は長期資金に素
直に付いて行っているという感じだ。」

T「なるほど。長期資金の動向も重要だが、やはりヘッジファンドの動向が相場動向
を左右することが多いからな。奴らの動向は要注目だな。」

M「ああ。ヘッジファンドは長期資金の動向を睨んで動いている面もあるだけに、ヘ
ッジファンドが売りに転じてきたときは、長期資金の買いが止まったとき、もしくは
衰えてきた時と言えるかもな。」

T「当然、百戦錬磨のヘッジファンドなどは長期資金の動向はしっかりと押さえてい
るだろうからな。ある程度は把握しているだろう。」

M「ただ、そろそろ警戒かもな。海外勢の長期資金も買ってきている銘柄がかなり広
がってきている。今週はNTTやドコモ、それに東京電力といった普段重たい銘柄が普段
以上のボラで上昇している。それに昨日なんて地銀株にバスケット買いが観測されて
いる。」

T「地銀まで来たか。確かに地銀は大手金融株と比較しても出遅れ感強い銘柄が多い
。ハッキリ言って主力株ではないからな。しかし主力株以外にも買いが広がってきた
と言うのは、余程投資資金が余っているんだな。」

M「そういうこともあるんだろうが、やはり日本株のウエートを引き上げてきたと言
うことが大きいのだろう。上げそうな銘柄を選別して買っているというよりは、単純
日本株を幅広く買っているという感じだ。」

T「つまり日本市場に投資する金額を大きく増やしている向きが多いんだろうな。」
M「ああ。何かを売って、新たな銘柄を買うという動きじゃない。今週14日はクレデ
ィスイスが日本株のウエートを5%から20%まで大きく引き上げた。世界的なインフレ
の恩恵をもっとも受けるという理由と、M&Aが活発になってきていると言うことも追い
風になるとの理由だ。」

T「クレディスイスが言うように、多くの海外投資家が日本株の投資ウエートを引き
上げてきたら、かなりの金額が日本市場に流れ込む事になる。」

M「ああ。まあ市場関係者の多くは、ヘッジファンドを顧客に持つクレディスイス
そんな事を言ってきただけに、そろそろやばいという見方をする向きも多い。」

T「この株式の世界に長くいる人ほど、裏読みしてしまうと言うことは良くあること
だ。」

M「ああ。ヘッジファンドが売り抜けるために強気な見解を示して日本株買いを煽っ
ているのではという見方だ。色々な相場を経験しているだけに、どうしても、ひねく
れて考えてしまう。なんせ投機筋にはえげつない手法で利益を狙う向きも多いからな
。」

T「まあ、過去にはそういう事は何度も問題になっているしな。」
M「ああ。日本では言うほど問題視にはなっていないが、米国などでは年間何度も問
題になっている。訴訟や罰金などザラだ。それだけに、なかなか外資証券の言うこと
は鵜呑みにしにくい。」
T「だろうな。」

M「ただ今回はその考えは逆に足下救われるという恐れもあるかもな。日本株に強気
になっているのは何もクレディスイスだけじゃない。他の外資もそうだし、国内証券
も同様だ。多くのアナリストが日本株に強気になっている。」
T「確かにそうだな。」

M「でも、皆が皆強気になってきたときが一番怖いというのは相場の鉄則だ。そう考
えれば、要注意かもな。」

T「ただ、そういう玄人的な考えは逆に足下救われると言うこともあるからな。」
M「確かに本当の強気相場ではそういうことも良くあるモンだ。怖いもの知らずのイ
ケイケガンガンの投資家の方が大きく儲けるという強気相場が今までもあるからな。


T「今はそういう相場なんじゃないのか。」
M「確かにその可能性もあるだろうな。ただ基本的にそういう投資家が強気相場で大
儲けしても、将来やってくる下落相場で儲けた以上に吐き出すと言うのは良くあるこ
とだ。」
T「確かに・・。」

M「強気相場の時は調整局面があったとしても、短期間で戻してしまったりすること
も多く、慎重にロスカットをしっかりとする人より、逆に持ちっぱなしの方が儲かっ
たりする。ただ、そういう人の多くは、強気相場が終わって弱気相場に転じても同じ
ように売買してしまい、儲けを全て吐き出してしまう。」

T「弱気相場になると株価も戻せなくなるからな。下手すりゃ何年も。場合によって
は永遠に。」

M「ああ。その辺の切り替えが上手く出来れば問題はない。強気相場の時はイケイケ
ガンガンで、弱気相場に転じたらリスク管理を徹底すると・・。ただ、強気相場から
弱気相場の転換点を見つけることはかなり難しい。後から見れば解るものの、その時
には大抵の投資家は解らない。」

T「実際に弱気相場に転じていても、強気相場の勢いが残っているだけに、相場も結
構粘ったりする。それが判断を見誤る事に繋がるからな。」

M「ああ。だから強気相場の時でもある程度は警戒心を持って相場に挑む方が、長く
勝ち続ける秘訣とも言える。強気相場の時はイケイケガンガンの投資家ほど勝てない
かもしれないが、弱気相場に転じても利益を全て吐き出すこともない。トータル的に
はその方が儲けられると言うことだ。」
T「そうだな。」

M「今は間違いなく強気相場だ。短期的に調整局面が来ても、暫く耐えれば上値を再
度超えてくる可能性が高い。だから強気で相場に挑んで良いのだが、この世界何が起
こるか解らない。突如、突発的なことがきっかけで強気相場が終わって再び弱気相場
になんて事も起こりうる。」

T「確かに。今は世界的に景気回復が強まってきているが、何がきっかけで景気が後
退するは解らないからな。」
M「そういうことも希にあるだけに、リスク管理はどんな時にも必要だ。全資産を信
用取引でレバレッジ利かせ全力投球で投資すると言うのは、例えどんな強気相場でも
狂気の沙汰としか言いようがない。」

T「だよな。それじゃ博打だ。」
M「ああ。博打やりたい人なら問題はない。ただ投資として株をやるならば、リスク
管理は必須だ。」

T「そうだな。来週も強い相場続くと良いけどな。」
M「まあ、どういう展開になっていくのか注目だな。」