慰安婦補助教材、配布へ 大阪府教育庁

慰安婦助教材、配布へ 大阪府教育庁 高校生向けに誤認是

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大阪府教育庁が配布する慰安婦問題に関する補助教

 朝日新聞慰安婦報道の一部記事を取り消した問題を受け、大阪府教育庁が独自に作成した高校日本史の補助教材を印刷し、府立高校95校の生徒約2万2千人に配布する方針を固めたことが8日、分かった。

以前は、授業で扱う際に配布するよう教材をメール送付し各校に印刷を委ねていたが、実際に補助教材を使用する学校はわずかだったため、一括して印刷した教材を各校に送付することにした。慰安婦についての記載がある教科書を使う生徒全員に配布することで、誤認識の是正を徹底する。

 補助教材はA4判8ページで、慰安婦問題に関する近年の主な動きや日本政府の考えで構成。朝日新聞が平成26年、吉田清治氏(故人)の証言を虚偽と判断し、これまでの関連記事を取り消した経緯などが記されている。

 府教育委員会(現・府教育庁)が27年10月に補助教材を作成し、全府立高校154校に文書データをメールに添付し送付。慰安婦問題を授業で扱う際に印刷して生徒に配布するよう指示したが、実際に使用したのは27年度が26校、28年度は21校にとどまっていた。

 府議会などから「全生徒に補助教材を配るべきだ」との指摘があり、府教育庁は、朝日新聞が吉田氏の証言を取り消すより前に検定に合格し、慰安婦問題に関する記述のある9種類の日本史の教科書を使用する生徒全員に補助教材を配布する方針を決めた。

 今月中には配布を終える予定。対象の教科書は来年度から使用されないため、配布は今年度までとなる。