関西電力の通信子会社
ケイ・オプティコム(
大阪市)は3日、電子数の増減に着目し、大規模
地震の発生を約1時間前から予測する技術の確立に向け、京都大の梅野健教授(通信工学)と共同研究を始めたと発表した。
南海トラフ巨大
地震などで住民の早期避難や、工事中断などによる被害の未然防止が可能になるとして、早期の実用化を目指す。
梅野教授の研究グループは、昨年4月の
熊本地震が発生する約1時間前から20分前にかけ、上空300キロ付近の「
電離圏」で電子の数が増減する異常が起きたことを解析している。
共同研究では、過去に起きた他の大規模
地震と
電離圏異常との因果関係を解析するほか、新たに京都、奈良、大阪、和歌山の2府2県に衛星測位機器を設置し、独自の観測網の確立を目指す。
梅野教授は「精度の高いデータを得て、研究にとどまらず
地震を予測する制度がつくれるのでは」と期待を寄せた。