【エンタメよもやま話】
【エンタメよもやま話】
さて、今週ご紹介するエンターテインメントは、世界を騒がせ続けるあの国のお話でございます。
複数の欧米メディアによると、これを受け、4日、北朝鮮側は国営メディアを通じてミサイルの発射に成功したと表明。
レックス・ティラーソン米国務長官は4日(日本時間5日)、北朝鮮が発射した弾道ミサイルが大陸間弾道ミサイル(ICBM)だったと認め、「米国は北朝鮮のICBM発射を強く非難する」とする声明を発表。同時に、国連安全保障理事会で挑発行為を続ける北朝鮮に「責任を取らせるためのより強い手段」を取れるよう提起する考えを示しました。
さらに、国のお金はこうしたミサイルといった軍事力の増強に湯水のごとくつぎ込まれ、人民は飢えたままです。
なので、ご存じのように、国連をはじめとする国際社会は、経済制裁などの強化によって北朝鮮をいわゆる“兵糧攻め”にして、考えを変えさせようとしているわけですが、金委員長の傍若無人な振る舞いや行動は何一つ変わりません。
しかし、なぜそんなことになってしまうのか?。にわかには信じがたいのですが、今週の本コラムでは、この恐ろしいお話についてご説明いたします。
いつものように、本コラムのネタ探しで欧米メディアのサイトを巡回していて、このニュースを見つけたときには目を疑いました。
6月16日付の米ニュースサイト、クォーツや、7月1日付の英紙インディペンデント、7月3日付の米紙ニューヨーク・ポスト(いずれも電子版)などが報じているのですが、北朝鮮には何と、6兆ドル~10兆ドル(約680兆円~1132兆円)の資産価値を有する貴重な鉱物資源が眠っているというのです。
米ワシントンDCにある有名な民間シンクタンク「戦略国際問題研究所」の創設者兼上級顧問、ロイド・ヴァシー氏による最近のリポートによると、北朝鮮の山岳地帯の地下には、鉄、金、マグネサイト、亜鉛、銅、石灰石、モリブデン、グラファイトなど、約200種類もの鉱物が存在しているというのです。
ちなみに北朝鮮では、鉱業が国内経済に占める割合はわずか14パーセントで、鉱山施設の平均稼働率は30パーセント以下。そして、こうした貴重な鉱物資源が眠っている山岳地帯は全く開発されておらず、現在、手つかずのまま…。
また、前述のクォーツが報じた6兆ドルという数字については、オーストラリア国際大学のアジア太平洋カレッジの客員研究員で、北朝鮮研究の専門家、レオニード・ペトロフが「初耳で、現実味がない」としながらも「正確な数字を確認するのは困難だ」と慎重な言い回しに終始しました。
しかし、この6兆ドル~10兆ドルという数字、欧米ではいま“当たらずとも遠からじ”といった感じで広く認識され始めているようです。
実際、前述のエコノミスト誌(電子版)によると、北朝鮮の経済規模は、韓国の約40分の1ですが、鉱物資源は韓国より遙かに豊富だといいます。2014年の鉄鉱石の生産量は、韓国が60万トンだったのに対し、北朝鮮はその約5・6倍の340万トンだったのです。そう考えると、6兆ドル~10兆ドルという数字にも俄然(がぜん)、リアリティーが出てきます。
そんなわけで、昨年3月の国連決議では、北朝鮮から金、バナジウム、チタン、そしてレアアースを輸出することを禁止。さらに同年11月には、北朝鮮による石炭の生産を制限し、ニッケル、銅、亜鉛、銀の船積みを禁止しました。
しかし、国連の年初に発表によると、北朝鮮は禁止された鉱物を密(ひそ)かに輸出し、制裁を回避するための新たな方法を見つけているといいます。
つまりこれ、北朝鮮が制裁を回避すべく、隠蔽(いんぺい)のテクニックを使って鉱物や武器を輸出している証拠ですね。
そして、金融、労働市場問題など経済政策全般に及ぶ研究を行っている韓国の非営利機関「韓国開発研究院」は昨年9月、北朝鮮と中国との間で行われる鉱物貿易は平壌(北朝鮮政府)にとっての“キャッシュ・カウ(稼ぎ頭のビジネス)”で、2016年の上半期、北朝鮮から中国に向けた総貿易量の54%は鉱物貿易だったと明かしました。
やはり、いろんな意味で北朝鮮の命運を握るのが中国というわけですが、北朝鮮研究の専門家、レオニード・ペトロフ氏は前述のニューヨーク・ポスト紙に「中国側もまた、北朝鮮との貿易を続けたいと強く願っており、とりわけ、一部地域での独占維持に熱心だった」「中国は、北朝鮮を貴重な鉱物のクローズド・マーケット(閉鎖された市場)として維持することに興味を持っている」などと述べ、こうした貴重な鉱物資源を巡り、中国と北朝鮮が“持ちつ持たれつ”の関係であると示唆しました。
北朝鮮経済にとって、鉱業は依然として不可欠なものであり、多くの専門家は、これが(莫大な)軍事費を支える方策だと考えているといいます。