朝鮮半島有事カギ握るマティス国防長官「3原則」と気になるトランプ大統領の攻撃開始の敷居の低さ
朝鮮半島有事カギ握るマティス国防長官「3原則」と気になるトランプ大統領の攻撃開始の敷居の低さ
http://www.sankei.com/images/news/171122/wor1711220002-n1.jpg 米CIA(中央情報局)のジョン・ブレナン前長官は先月、「朝鮮半島で軍事衝突が起こる可能性は20~25%だ」と発言した。日本でも「朝鮮半島有事が現実のものとなる日が極めて近い。米軍の攻撃は今年末から来年早々だ」と主張する人たちが増えてきている。(夕刊フジ)
小野寺五典防衛相も10月28日、「残された時間は長くはない。今年の暮れから来年にかけて、北朝鮮の方針が変わらなければ、緊張感を持って対応せねばならない時期になってきた。軍事的な衝突になった場合の備えを日米韓3カ国で議論する必要がある」と発言している。
北朝鮮は、9月3日の「6度目の核実験」と、同月15日の「火星12」とみられる弾道ミサイルの発射を最後に、米国やわが国に対する大きな軍事挑発を行っていない。背景には、米国の軍事的脅威に恐怖を抱いた可能性や、中国が北朝鮮に今までにない強い圧力をかけている可能性、北朝鮮に対する国連の制裁が効いている可能性、次なる弾道ミサイルなどの実験準備に時間がかかっている可能性がある。
いずれにしろ、この静かな状態がいつまで続くかである。
三原則とは、(1)すべての選択肢がテーブルにある(2)問題の解決は外交などの非軍事的手段で達成するよう努めるが、非軍事的手段で解決できなければ、最終的手段としての軍事力を使用する(3)米国が軍事力を行使するのは、北朝鮮が米国本土やグアムなどに脅威を与えるか、米国の同盟国である日本や韓国に脅威を与えた場合-だ。
結論として、米国の基本ラインは「北朝鮮がこのまま米国などに脅威を与える軍事挑発(=グアムや米本土に向けた弾道ミサイルの発射、核兵器の空中爆発など)をしなければ、北朝鮮に対する先制攻撃はしない」と、私はみている。
しかし、米国の最高司令官はトランプ氏である。彼は、オバマ前大統領の戦略的忍耐を徹底的に批判し、「俺が決断し、俺が決着をつける」と宣言している。攻撃開始の敷居は低いとみるべきだ。