近畿で初、「可搬式オービス」を滋賀県警が運用 目の届きにくい幅狭「生活道路」で活用

近畿で初、「可搬式オービス」を滋賀県警が運用 目の届きにくい幅狭「生活道路」で活用


 滋賀県警は25日、通学路など道幅の狭い道路での活用を想定した可搬式の速度違反自動取り締まり装置(オービス)の運用を始めた。同様の装置の運用は、近畿2府4県の警察では初めてという。
http://www.sankei.com/images/news/180926/wst1809260017-p1.jpg近畿圏で初めて運用された「移動オービス」=25日、大津市
 幹線道路に比べ、目が届きにくかった生活道路で、登下校中の子供が事故に巻き込まれるのを防ぐ狙い。
 オービスは、速度超過した車両のナンバープレートや運転手を撮影し、速度を記録する装置。後日、違反した車の使用者らに通知書を送る。今回導入した可搬式の装置は1台。高さ54センチ、幅26センチ、奥行き38センチとコンパクト。持ち運びが容易で、狭い路肩でも設置できる。導入費は約1千万円。
 道路脇などに設置されている固定式オービス以外の取り締まりでは、警察官が4人程度で取り締まりをしたい場所に速度の測定器をもっていき、摘発する方法が取られている。警察官が速度超過の疑われる車両を発見した場合に測定器で計測、車の進行方向にいる別の警察官に連絡し、車両を停止させて取り締まる。
 速度計測係や車両を停止させる係などに分かれるため長い距離が必要で、場所は幹線道路などに限られるほか、オービスのように通過車両すべてを記録する方式ではないため、取り締まる台数にも限界があった。

 可搬式オービスの活用で狭い道路でも取り締まりが可能になったほか、配置する警察官も2人程度で済むという。
 県内では今年に入ってから8月末までに、子供の絡む交通人身事故が116件発生。そのうち登下校中の事故は38件で、朝の混雑時間帯に幹線道路の抜け道として通学路や生活道路を使用する車が速度超過し、事故を起こす事例が目立つという。
 可搬式オービスは今後、必要に応じて県内各地に出動し、取り締まりにあたる。県警交通指導課の吉井弘明次席は「どこで取り締まられているか運転者は分からないので、緊張感をもった運転につながり、事故の防止に役立つはず」としている。