94歳の元ナチス強制収容所看守 裁判始まる

94歳の元ナチス強制収容所看守 裁判始まる

第2次世界大戦中、ナチス強制収容所で数百人の殺害に関与したとして、殺人ほう助の罪に問われた94歳の元看守の裁判がドイツで始まりました。戦後70年以上が経過して、ナチス・ドイツの関係者は高齢化が進んでいますが、今なお、刑事責任の追及が続いています。
ドイツ西部のミュンスターにある少年裁判所で、6日、かつてナチス・ドイツの親衛隊の隊員だった94歳の男に対する裁判が始まりました。

男は、第2次世界大戦中の1942年から44年にかけて、ナチス占領下のポーランドにあった強制収容所で勤務し、ユダヤ人など数百人の殺害に関わったとして殺人ほう助の罪に問われていて、当時は未成年だったため、少年裁判所が審理を担うことになったものです。

元看守の男は、強制収容所で勤務していたことは認めたものの、殺害については知らなかったとして関与を否認しました。

ナチスの犯罪をめぐる裁判では、ここ数年、収容者の殺害に直接関わっていなくても、強制収容所で働いていたことが証明されれば罪に問われるケースが増えています。

戦後70年以上が経過して関係者たちの高齢化が進み、94歳で殺人ほう助の罪で有罪判決を言い渡された男がことし収監される前に死亡するなど、裁判は難しくなっていますが、今なお、刑事責任の追及が続いています。