「壬申戸籍」ネットで出品 法務省が経緯確認

壬申戸籍」ネットで出品 法務省が経緯確認

 初の全国的な戸籍として、明治5年から編製された「壬申(じんしん)戸籍」とみられる文書が、インターネットのオークションに出品され、法務省が急遽、回収する事態があった。壬申戸籍は「華族」「平民」といった当時の身分や犯罪歴も記載され、差別につながる恐れがあるため閲覧禁止となっており、同省が出品の経緯などを確認している。
 法務省によると1月末、オークションサイト「ヤフオク!」に「明治戸籍」と題された文書が出品され、2月7日に13万3千円で落札された。文書は内容から、現在の浜松市あたりの戸籍とみられる。情報を知った法務省は、サイトを運営するヤフーを通じて出品者と連絡を取り、落札者が受け取る前に、無償で静岡地方法務局が回収した。

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 壬申戸籍は就職や結婚の際に悪用されて問題となり、法務省が昭和43年、回収して封印するよう通達。市町村や地方法務局で保管しており、親族や職員も閲覧できないようにしている。ただ全て回収されたわけではなく、平成29年8月にも、東京都豊島区のものとみられる壬申戸籍がネットオークションに出品され、東京法務局が回収している。