スマホを落としたら… 回線停止以外にやるべきこと

スマホを落としたら… 回線停止以外にやるべきこと

2019/3/23
様々な決済アプリが登場し、スマートフォンスマホ)さえあれば買い物に不自由しない時代。便利になった一方で、スマホを紛失すれば不正利用に遭うリスクも高まった。普段からどのようにスマホを管理しておくべきか。
■アプリにもロック
スマホで買い物ができるサービスは「スイカ」「楽天エディ」などのICチップを使う電子マネーから、「オリガミ」「ペイペイ」といったQRコードなどを使う決済アプリまで多様化していて、スマホ紛失時の不正利用リスクも無視できないものになった。
不正利用を防ぐには、事前の備えと紛失時の迅速な対応がカギだ(図A)。基本的な対策として「ロック機能は必ず設定してほしい」(NTTドコモ)。暗証番号や指紋・顔などによる認証を設定することで、紛失しても他人は容易に使えなくなる。最近はスマホ自体のロックに加え、決済アプリにもロックをかけられるのが一般的だ。
■ICチップの機能停止も
スマホを紛失すると携帯電話回線を停止するだけでなく、電子マネーや決済アプリの運営会社、アプリに登録するクレジットカード会社にも連絡した方がいい。実は電子マネーや決済アプリは回線が止まっても利用できる例が多いからだ。
携帯電話会社には回線の停止だけでなく、電子マネーに使うICチップの機能停止も依頼しよう。さらに電子マネーや決済アプリを運営会社に停止してもらえれば、入金した残高が後で戻る可能性も高まる。

クレジットカードは要注意だ。スマホを紛失してもカードは手元にあるため忘れがちだが、アプリにカード情報を登録したスマホを紛失することは、カード自体の紛失に近い危険性がある。複数のアプリに別々のカードを登録していると、多くの会社への連絡が必要だ。紛失後に調べるのは大変なので、必要な連絡先は事前にメモし、スマホとは別に常備しておきたい。
■カード会社に連絡忘れず
利用停止が間に合わずに不正利用されたときは、クレジットカード会社の補償を受けられる可能性がある(表B)。決済サービスコンサルティング(東京・千代田)の宮居雅宣代表は「カード自体の紛失ではなく、スマホ決済アプリなどを経由した不正利用は必ず補償されるとは限らないが、カード会社に連絡して補償の可能性を探るべきだ」と助言する。
日ごろからカード利用明細をこまめにチェックすることも大切だ(表C)。最近は不正の手口が一段と巧妙化している。決済サービスに詳しいポイ探(東京・世田谷)の菊地崇仁代表によると、「高額決済を避けて、あえて発見されにくい小口決済を繰り返す犯行もある」という。
■利用明細を入念にチェック
2018年12月にはペイペイのサービスで、スマホ決済を使っていないにもかかわらず、流出したカード情報が不正利用された例もあった。スマホ紛失で盗まれたカード情報が後々、悪用される恐れもある。身に覚えのない請求がないかは入念に調べたい。
様々な紛失対策が求められるスマホ決済は面倒と感じる人も多いが、「対策さえしっかりやれば残高返金や補償などで、現金紛失よりむしろ被害を減らせる例も多い」(菊地氏)。過度にスマホ決済を敬遠するより、まずは適切な対策をしっかり認識しておくことが、不正利用から身を守る最大の防御といえそうだ。