慰安婦」問題は事実ではないから謝罪する必要が無いのですか?それとも事実ではあったが、もう謝罪したから解決したことなのですか?

Fujisawa Yasumi
Fujisawa Yasumi, 修士 文学研究科史学専攻, 上智大学大学院 (1971)
慰安婦」は戦時の軍隊を対象に営業した公娼を指します。古今東西、戦争のある所、軍隊の行く所、売春婦がついて回って営業したのです。しかし、ナポレオン戦争時代に、兵士の間に性病が氾濫して、兵力が減退するのを恐れたナポレオンが、医師をつけて性病管理をきちんとやる売春婦だけをフランス軍隊につけることにしました。これが公娼制度の始まりです。この公娼制度は各国に波及し、日本も明治政府が導入しました。アジア大平洋戦争中の日本軍は、略奪・レイプが茶飯事だった中国・ロシア等他国の軍隊に比べて遥かに規律厳正であり、略奪皆無、まして現地人女性をレイプしたことが知れれば軍に呼び出されて処分された位でした。
当時は、世界的に売春が悪いという観念は存在せず、日本軍も、軍規厳正を維持するために、つまり性病防止だけでなく、戦地でのレイプ防止の目的もあって、民間の公認売春業者が軍の兵隊たちを相手に営業することを認めていたのです。当時兵隊だった老人の回想や記録、戦争末期に米軍が収容した朝鮮人慰安婦から聞き取り調査した記録を見ると、兵隊たちと慰安婦たちは仲がよく、一緒に運動会やピクニックをしたり、兵隊さんが内地から送ってきた物を慰安婦にプレゼントしたりとかあったようです。韓国の世宗大学校教授朴裕河の「帝国の慰安婦」は、多数の朝鮮人慰安婦に聞き取り調査をした結果ですが、同書には、日本軍の兵隊たちと慰安婦たちとは、単なる金銭関係ではない、いわば「同志」意識をもつ関係でもあったようだと記されています。
ところで、「慰安婦問題」とは、日本軍が公娼たる慰安婦を利用したこと自体ではありませんよね。公娼が各国に存在した(西欧では今も複数国ありますが)当時の世界の通念として誰も「問題」に出来ないはずです。まして戦後になっても長く在韓米軍に多数の慰安婦を提供し、ベトナム戦争派遣韓国軍に政府が女性タレントなどを強制して慰安婦として送ったりした韓国には最も問題にできる資格がありませんね。
実際、戦後30余年間以上、ほぼ昭和末期まで韓国側から慰安婦が問題として取り上げられることはありませんでした。これが問題として騒がれるようになったのは、じつは在日韓国人だったとも言われる共産党員・吉田清治が、戦時中、自分が部下を連れて済州島に行き(彼は当時推定14歳なのに!))慰安婦狩りをしたと言う捏造本を出し、その内容を「朝日新聞」が現地取材検証なしに大々的に取り上げて報道してからです。現地の「済州新聞」が現地取材して慰安婦の強制連行の事実は一切無かったと報道しても、朝日新聞はこれを無視して10数年間にわたり繰り返し報道し続けたのです。朝日新聞は随分たってからやっと誤報と認めましたが、韓国を初め諸外国には訂正記事すら出していません。
質問への回答です。現在の日本政府が、今後は一切謝罪も補償もしないと言っている理由は両方です。(1)元来、日本国家が責任を負い謝罪・賠償すべき、強制連行という意味での「慰安婦問題」は存在しなかった。(2)にもかかわらず、日本政府は、日韓関係を丸く収めるために、あえて歴代の首相や政府要人が何度も謝罪し(11回)、日韓基本条約と、慰安婦合意の時に、戦前の慰安婦を含む一切の補償として多額の補償金を渡した。そして、条約の時も、合意の時も、これで戦前の問題は一切解決した、この問題は今後一切永久に取り上げないと両国で約束した。(1)と(2)とは、じつは理論的には矛盾するのですが、日本政府は、自分が悪くなくても、とにかく謝って事を丸く収めるという、日本人的感覚でこれをやったものと思われます。これが外国、とくに朝鮮半島では全く通用しないということを、今頃になって深く痛感していると思われます。
私見では、日本政府は、朝鮮人慰安婦に対して謝罪や賠償をする理由は全くなかったし、すべきではなかったと思います。慰安婦朝鮮人よりも日本人女性の方が遥かに多かったのに、日本人元慰安婦の方々には、一切謝罪も賠償もしていないのです。境遇は可哀想だが、金を貰っての営業だったのだから仕方ない、謝罪や賠償する筋合いではないという考えでしょう。それなら、韓国人元慰安婦に対しても日本人と同じように公平に対処すべきだったのです。
もし、日本政府が謝罪・賠償するとしたら、その唯一の理由は「強制連行」があったか否かです。しかし、これまで強制連行の場面を見た人は、韓国人を含め誰一人としていないのです。ふつう若い娘が連れ去られて売春婦にされるというのに、体を張って阻止しない父親や兄弟がいるでしょうか。朝鮮人慰安婦が20万人(笑)いたというなら、拉致連行の現場が20万ヵ所近くあったはずです。朝鮮の男どもは、その時、どうしていたのでしょう?抵抗した男が日本の軍人に銃殺されたという新聞記事の1つもあっていいはずなのに、皆無なのはどうしたことでしょう。誰一人女性を助けないで黙って見ていたというなら、朝鮮の男どもはみんな世界一の臆病者、意気地無しということになります。韓国が慰安婦強制連行を世界に宣伝することは、韓国の男たち全体の、どうしようもない情けない恥を、世界にさらしていることになります。
戦争末期の米軍による朝鮮人慰安婦聞き取り調査でも、また、クリントンブッシュ大統領中韓系団体の要請を受けて行った8年間に及ぶ綿密な慰安婦関係調査でも、強制連行とか虐待とかの資料は1つも見つからなかったと報告されています。韓国の元慰安婦の強制連行証言と言われるものは、当初は、養父に稼げると言われて連れていかれたとか、身元不明の怪しい青年たちに連行されたとか言っていたのに、後では、日本軍に連行されたと変わっているという風に、相手や時により証言内容が全然違っていたり、ジープに乗せられて連行されたとか、慰安婦だった期間を彼女の当時の年齢から計算すると戦後の年代だったり、どれも辻褄が合わず、信用できるものは1つもありません。朝鮮人慰安婦の中には正直な人もいて、「ナヌムの家にいる人たちは皆嘘をついている。この世では騙せても、あの世では騙せないよ」(人は騙せても、神さまは騙せない)と語っている人もいたそうです。
なお、韓国人朴裕河教授の著書「帝国の慰安婦」の記述姿勢は客観的科学的であり、好著だと思います。要約がネットに出ていますので、一読をお奨めします。