◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2019.07.06

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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週の日本株はしっかりと続伸した。」

M「これで日経平均は5週連続の上昇となった。」

T「ただ令和相場入りしてから、まだ日本株は下げている格好だ。」

M「そうだな。ただ大夫戻してきた。このまま堅調な相場が続けばいいけどな。」

T「今週は何と言っても、米中首脳会談が無事通過し、米中合意したことが大きい。」

M「まあ、合意したといっても、協議を続けることで合意したというだけで、実質決裂となった5月頭の前に戻っただけだ。」

T「正確は戻っていないけどな。5月頭にトランプ大統領がぶち切れて、昨年9月に実施した対中関税第3弾の税率を10%から25%に引き上げているからな。」

M「そうだな。それに対して中国も報復に動いた。昨年9月に5~10%の追加関税をかけた600億ドル分の米国製品について、最大25%に引き上げている。」

T「そう考えれば、何ら進展はしていないな。」

M「ただやはり懸念されていた対中関税第4弾が見送られたことは安心感に繋がったといえる。」

T「そうだな。」

M「それにファーウェイへの制裁緩和に踏み切ったというのも好感された面もあるだろう。」

T「ただ制裁緩和と言っても、微々たる緩和であり、米商務省のブラックリストといえるエンティティリストからは削除しないようだしな。」

M「そうだな。ただトランプ大統領が譲歩する姿勢を見せたのは、市場では前向きに捉えられた。」

T「更なる制裁緩和に踏み切る可能性もあると期待された訳か・・・。」

M「今後の米中協議次第ということだろうけどな。」

T「ただ散々協議してきて、未だに落とし処も見つかっていないんだ。そう簡単に合意出来るとは思えない。」

M「ああ。中国も引けない部分もあるだろうし、米国も同様に引けない部分もあり、いつまで経っても落とし処なんて見つからないという恐れもある。」

T「下手すれば長期化する恐れもあるかもな。」

M「このまま平行線のままということもあるだろう。まあ途中で、またトランプ大統領が対中関税第4弾発動を口に出す恐れもありそうだが・・・。」

T「だよな。今回対中関税第4弾を見送る事を決めたが、具体的に期限は決めてない。」

M「それだけに永遠に見送る可能性もあれば、逆にいつでも発動させる可能性はあるということだ。」

T「結局、トランプ大統領の腹一つか・・・。」

M「そういったこともあり、今週の日本株は月曜日に買われた後は、揉み合い相場だったと言える。」

T「ただ米国株は強かった。ついにダウも最高値を更新し、ナスダック指数も最高値を今週更新した。」

M「米国は利下げ期待もあるからな。」

T「やはりそれは大きいだろう。」

M「市場では既に7月の利下げは織り込んでいる状況だ。」

T「まだ確定したわけでもないが、それを占う上で重要視される経済指標は今週米国で幾つかあった。」

M「まあ基本的には弱い経済指標が依然として目立っていると言える。ただもっとも重要視されそうな、米雇用統計が昨晩発表された。」

T「ああ。非農業部門雇用者数は22万4000人増となった。これは市場予測16万人増を大幅に上回った。」

M「前回がえらい弱い数字だっただけに、今回も弱ければ遅行指標と言われる雇用指標も悪化してきたとのことで、利下げ理由になりえたのだが・・。」

T「これを見る限り前回伸び鈍化は一時的だったといえ、依然として米国の雇用市場は堅調だと言える。」

M「それだけに昨日の米国市場では、早期利下げ期待が後退し、米金利高で米株安に繋がった。」

T「そうだな。ダウは一時230ドル超の下落となる場面も見られたんだが、売り一巡後は下げ渋った。」

M「ああ。終わってみれば微々たる下げにとどまっている。依然として米国株の強さは健在だ。」

T「雇用者数の伸びは強かったが、平均時給の伸びが市場予測ほど伸びなかったことで、インフレ懸念は乏しく、早期利下げ期待は完全に消えていないとの見方もあるようだ。」

M「まあそういった見方が米国株の下値を支えたんだろう。それにやはり米経済はしっかりとしているとの見方も下支え要因になったといえるのかもな。」

T「結局は良いトコ取りか・・。」

M「それだけ今の米国市場は投資家心理も良いということだ。まあ日本にとっても米経済が減速してしまうのは良くないしな。」

T「確かに・・。米経済が強ければ緩和期待は乏しくなるが、米緩和期待はドル売りに繋がり円高要因となるからな。」

M「お陰で昨日のドル円は円安へ振れている。」

T「でもシカゴ日経先物はマイナスで引けている。あの程度の米株安が重石となったのか・・。」

M「日本は逆に悪いトコ取りだな。結局、日本株は米国株と違って弱いと言うことだ。」

T「そうだな。まあ仕方ない面もあるんだろうけどな。秋には消費増税だし、円高懸念も消えていない。それに中国景気の影響を受けやすい企業が日本には多いと言うことも重石だろう。」

M「ああ。それらは米国とは違い、日本株が弱い要因となっている。」

T「まあ、それでも米国株は弱いより強い方が日本株には追い風だからな。来週も強い米国株見せて欲しいモンだ。」

M「来週にはパウエルFRB議長の議会証言が注目されそうだ。半期に一度の金融政策についての議会証言であり、早期利下げを改めて示唆するのかが注目される。」

T「そうだな。今回の雇用統計をうけて、どういった認識を示すのか注目だな。」

M「それらをうけて来週末はどういう状況で迎えているのか・・・。」

T「しっかりと続伸していれば良いけどな。期待したいモンだ。」