◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆2019.08.17
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◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週も不安定な相場展開となり、日本株は3週連続の下落となった。」
M「ああ。今週もかなり波乱含みだったな。」
T「色々とあったしな。相場を揺り動かす要因が・・。」
M「ただ今週も反乱相場だったものの、日本株の底堅さも確認できた週でもある。」
T「それは言えるかもな。日経平均は再度2万円まで行かずに下げ渋る動き見せており、米国株の下落の割には強かった印象も受ける。」
M「日経平均PBR1倍の水準が2万200円程度と見られており、その辺になると買いが入るのか売りが出てこなくなるのか、やたらと底堅くなる。」
T「やはり市場でもPBR1倍水準は意識されているんだろう。」
M「かもな。ただ逆に言えば、それを本格的に割り込んでしまうとやっかいだけどな。」
T「今週の波乱要因は何と言っても、逆イールドだ。米10年債と2年債の利回りが約12年ぶりに逆転した。」
M「既に米10年債と3カ月債、6カ月債などでは、逆イールド発生していたが、ついに2年債とも逆イールド発生したことで、景気後退いわゆるリセッションが意識されてしまった。」
T「また同日に英国債でも10年債と2年債で逆イールド発生してしまっており、世界的な景気減速懸念が意識されてしまった。」
M「きっかけは、その日に発表された中国の工業生産などの経済指標が弱かったことや、独4-6月期GDPがマイナス成長となったことだ。ただその前から既に長期金利低下はかなり来ていた。」
T「ああ。米長期金利の下落に拍車が掛かってきたのは、やはり今月に入ってからだ。」
M「ああ。つまりトランプ大統領がいきなり対中関税第4弾を9月から発動すると表明してからだ。」
T「そうだよな。その表明をうけて、米長期金利の指標である10年債利回りは2%を再び割り込んできたんだ。」
M「今週には1.5%割れとなる場面もあった。」
T「トランプ大統領は逆イールド発生をうけて、FRBのせいにしているが、明らかに自分のせいだろう。」
M「そうだな。FRBによる金融政策で2年債利回りなど短期金利は大きく影響をうけるが、今の2年債利回りは、今後の複数の利下げを完全に織り込んでいる水準だ。」
T「FRBが更に緩和姿勢を強めれば、確かに2年債利回りは更に低下し、逆イールドは発生しにくくなるが・・。」
M「確かにそうだが、今回の逆イールドはやはり10年債利回りの急低下が影響しているといえ、その要因は対中関税第4弾発動表明なのは間違いない。」
T「まあトランプ大統領にいわせれば、もっとFRBはフォローしろと言うことなんだろうけどな。」
M「そういうことだろう。トランプ大統領も対中強硬姿勢は崩すわけに行かない面もあるからな。」
T「確かにトランプ大統領の対中強硬姿勢は幅広い層から支持されている。来年の大統領選のためにも、その姿勢は崩せない。」
M「かとって強硬すぎて、米国株の下落や、米経済に悪影響が出てきてしまっても、困るわけだ。それはそれでトランプ大統領の批難に繋がるからな。」
T「だからFRBがフォローしろと言うことなんだろう。中国に対しての強気姿勢は崩せないが、米株や米経済に出来るだけ悪影響及ばぬよう、FRBが何とかしろと・・。」
M「それがまだまだ足りないと言いたいんだろうな。トランプ大統領は。」
T「ただ今週、対中関税第4弾の発動を一部製品は12月に延期すると発表した。」
M「米国の年末商戦への悪影響に配慮したとのことだが、タイミング悪かったな。」
T「確かに・・。逆イールド発生の前日だからな。」
M「それに裏を返せば、残りの製品は9月発動が濃厚になったと言う見方も出来る。」
T「なるほど。市場では対中関税第4弾が延期されるという期待を抱く向きも多かったと言える。」
M「まあ今までのトランプ大統領の行動からも、市場が混乱してきて波乱相場になってくると、緩和姿勢を示すということは何度もあった。それだけに対中関税第4弾も最後の最後で延期という見方も少なくなかった。」
T「実際にそうなったんだが、一部の製品にとどまるということから、期待していた向きにしてみれば拍子抜けという感じか。」
M「ただまだ分からないけどな。残りの製品に関しても、最後の最後で延期という可能性も少なからずあるかも知れない。」
T「でもそれをするなら、最初から全部を延期とするんじゃないのか。」
M「とにかくトランプ大統領は株価をえらい気にしているのは確かだ。このまま米国株落ち着いてくれれば良いが、波乱状態がまだ続くようだと、何らかの緩和的な発言をしてくる期待はあるだろう。」
T「でもいい加減にそういったアメとムチ的なトランプ大統領の手法は利かなくなる恐れもありそうだけどな。」
M「確かに市場も呆れている。わずか2週間前に表明した対中関税第4弾を一部とはいえ、変えてきたんだからな。」
T「そもそも対中関税第4弾発動表明もいきなりだもんな。6月末には米中首脳会談で当面見送ることで合意したにもかかわらず、僅か1カ月でその合意を破棄して発動表明だ。」
M「そりゃ中国が合意違反だと怒るのも無理はない。」
T「しかもその間、1回しか閣僚級の米中通商協議を行っていない。」
M「そうだな。それに対中関税第4弾発動表明には、ライトハイザーUSTR代表やムニューシン財務長官など殆どの取り巻きが反対したようだしな。」
T「ああ。中国は対抗措置の可能性も示唆しており、米中摩擦問題はまだまだヤバイ状況だ。」
M「9月の対中関税第4弾発動まであと2週間。その2週間でどういう展開になっていくのか注目される。」
T「残りの製品も延期するのか、それとも強行的に発動するのか・・・。またそれをうけ中国の行動も注目される。」
M「取りあえず来週はジャクソンホールだな。パウエルFRB議長の講演が注目される。」
T「ああ。今週発生した逆イールドや、トランプ大統領によるFRB批判をうけて、パウエルFRB議長がどういった発言をするのか注目される。」
M「トランプ大統領をフォローするような姿勢を示すのか注目だな。大胆な金融緩和の可能性を示唆するとか・・。」
T「とにかく今の市場心理を良い方向に変えて欲しいモンだ。そのきっかけになれば良いのだが・・。」
M「そうだな。期待したいモンだ。」
◆◇地場者の立ち話~番外編~◇◆
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T「今週も不安定な相場展開となり、日本株は3週連続の下落となった。」
M「ああ。今週もかなり波乱含みだったな。」
T「色々とあったしな。相場を揺り動かす要因が・・。」
M「ただ今週も反乱相場だったものの、日本株の底堅さも確認できた週でもある。」
T「それは言えるかもな。日経平均は再度2万円まで行かずに下げ渋る動き見せており、米国株の下落の割には強かった印象も受ける。」
M「日経平均PBR1倍の水準が2万200円程度と見られており、その辺になると買いが入るのか売りが出てこなくなるのか、やたらと底堅くなる。」
T「やはり市場でもPBR1倍水準は意識されているんだろう。」
M「かもな。ただ逆に言えば、それを本格的に割り込んでしまうとやっかいだけどな。」
T「今週の波乱要因は何と言っても、逆イールドだ。米10年債と2年債の利回りが約12年ぶりに逆転した。」
M「既に米10年債と3カ月債、6カ月債などでは、逆イールド発生していたが、ついに2年債とも逆イールド発生したことで、景気後退いわゆるリセッションが意識されてしまった。」
T「また同日に英国債でも10年債と2年債で逆イールド発生してしまっており、世界的な景気減速懸念が意識されてしまった。」
M「きっかけは、その日に発表された中国の工業生産などの経済指標が弱かったことや、独4-6月期GDPがマイナス成長となったことだ。ただその前から既に長期金利低下はかなり来ていた。」
T「ああ。米長期金利の下落に拍車が掛かってきたのは、やはり今月に入ってからだ。」
M「ああ。つまりトランプ大統領がいきなり対中関税第4弾を9月から発動すると表明してからだ。」
T「そうだよな。その表明をうけて、米長期金利の指標である10年債利回りは2%を再び割り込んできたんだ。」
M「今週には1.5%割れとなる場面もあった。」
T「トランプ大統領は逆イールド発生をうけて、FRBのせいにしているが、明らかに自分のせいだろう。」
M「そうだな。FRBによる金融政策で2年債利回りなど短期金利は大きく影響をうけるが、今の2年債利回りは、今後の複数の利下げを完全に織り込んでいる水準だ。」
T「FRBが更に緩和姿勢を強めれば、確かに2年債利回りは更に低下し、逆イールドは発生しにくくなるが・・。」
M「確かにそうだが、今回の逆イールドはやはり10年債利回りの急低下が影響しているといえ、その要因は対中関税第4弾発動表明なのは間違いない。」
T「まあトランプ大統領にいわせれば、もっとFRBはフォローしろと言うことなんだろうけどな。」
M「そういうことだろう。トランプ大統領も対中強硬姿勢は崩すわけに行かない面もあるからな。」
T「確かにトランプ大統領の対中強硬姿勢は幅広い層から支持されている。来年の大統領選のためにも、その姿勢は崩せない。」
M「かとって強硬すぎて、米国株の下落や、米経済に悪影響が出てきてしまっても、困るわけだ。それはそれでトランプ大統領の批難に繋がるからな。」
T「だからFRBがフォローしろと言うことなんだろう。中国に対しての強気姿勢は崩せないが、米株や米経済に出来るだけ悪影響及ばぬよう、FRBが何とかしろと・・。」
M「それがまだまだ足りないと言いたいんだろうな。トランプ大統領は。」
T「ただ今週、対中関税第4弾の発動を一部製品は12月に延期すると発表した。」
M「米国の年末商戦への悪影響に配慮したとのことだが、タイミング悪かったな。」
T「確かに・・。逆イールド発生の前日だからな。」
M「それに裏を返せば、残りの製品は9月発動が濃厚になったと言う見方も出来る。」
T「なるほど。市場では対中関税第4弾が延期されるという期待を抱く向きも多かったと言える。」
M「まあ今までのトランプ大統領の行動からも、市場が混乱してきて波乱相場になってくると、緩和姿勢を示すということは何度もあった。それだけに対中関税第4弾も最後の最後で延期という見方も少なくなかった。」
T「実際にそうなったんだが、一部の製品にとどまるということから、期待していた向きにしてみれば拍子抜けという感じか。」
M「ただまだ分からないけどな。残りの製品に関しても、最後の最後で延期という可能性も少なからずあるかも知れない。」
T「でもそれをするなら、最初から全部を延期とするんじゃないのか。」
M「とにかくトランプ大統領は株価をえらい気にしているのは確かだ。このまま米国株落ち着いてくれれば良いが、波乱状態がまだ続くようだと、何らかの緩和的な発言をしてくる期待はあるだろう。」
T「でもいい加減にそういったアメとムチ的なトランプ大統領の手法は利かなくなる恐れもありそうだけどな。」
M「確かに市場も呆れている。わずか2週間前に表明した対中関税第4弾を一部とはいえ、変えてきたんだからな。」
T「そもそも対中関税第4弾発動表明もいきなりだもんな。6月末には米中首脳会談で当面見送ることで合意したにもかかわらず、僅か1カ月でその合意を破棄して発動表明だ。」
M「そりゃ中国が合意違反だと怒るのも無理はない。」
T「しかもその間、1回しか閣僚級の米中通商協議を行っていない。」
M「そうだな。それに対中関税第4弾発動表明には、ライトハイザーUSTR代表やムニューシン財務長官など殆どの取り巻きが反対したようだしな。」
T「ああ。中国は対抗措置の可能性も示唆しており、米中摩擦問題はまだまだヤバイ状況だ。」
M「9月の対中関税第4弾発動まであと2週間。その2週間でどういう展開になっていくのか注目される。」
T「残りの製品も延期するのか、それとも強行的に発動するのか・・・。またそれをうけ中国の行動も注目される。」
M「取りあえず来週はジャクソンホールだな。パウエルFRB議長の講演が注目される。」
T「ああ。今週発生した逆イールドや、トランプ大統領によるFRB批判をうけて、パウエルFRB議長がどういった発言をするのか注目される。」
M「トランプ大統領をフォローするような姿勢を示すのか注目だな。大胆な金融緩和の可能性を示唆するとか・・。」
T「とにかく今の市場心理を良い方向に変えて欲しいモンだ。そのきっかけになれば良いのだが・・。」
M「そうだな。期待したいモンだ。」